建設通信新聞 2001年9月4日号掲載記事より
建設通信新聞TDS記事  (建設通信新聞「設計メモ」から転載)



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手作りの大プロジェクト

 東京ディズニーシーの設計で日本側の役割は気候、法規、構造、設備、運営の諸条件を提示し、融合させることであった。ショー効果を重視してデザインを貫こうとする設計者のウォルト・ディズニー・イマジニアリング(WDI)との協議は、ひと壱つひとつ解決策を模索する毎日であった。

 WDIの仕事は絵コンテから始まりスケッチ、模型、図面の間を何度も反芻し具体化していく。WDIは社内に絵画、模型、左官の職人だけで数百人を抱え、全てを絵や模型で確認しないと納得しない。無駄とも思えるこれらの作業の成果物は、増え続けるプロジェクトの参加者に共通認識や夢を持たせる的確なツールとして大活躍した。

 開発と設計だけで一時期は日米で総勢1,500人を超える人が日夜奔走した。
 工事ではさらに大勢の述べ300万人以上が従事した。人数が増える度にWDIが絵、写真、模型を使い執拗なほどにイメージを語り、職人にはその場で実際の見本を作って見せた。

 ディズニーのプロジェクトの特徴は最先端技術と前時代的な職人芸がうまく同居しているところにある。聳(そび)える火山の複雑極まる構造体は3次元CADなしでは実現しなかったし、多くのライドやショーは高度なコンピューターにより制御されている。
 火山の岩肌、街並みの大理石やレンガの壁、豪華客船SSコロンビアの船体でさえ、モルタルとペイントの産物である。彫刻や絵画の創作に似た時間をかけた職人芸や手仕事の集積である。

 今、全体が違和感なく溶け込んだ風景の中で、ゲストの歓声に呼応して、其処此処にプロジェクトに携わった多くの人々の手の温もりが伝わってくる。

                                                          (株)空間設計代表 及川政志

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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